Root canal treatmen根管治療とは
About当院の根管治療について
当院では、診療体制、機器、治療時の工夫などにより、精度の高い治療を行うことができます。その理由を具体的にご説明していきます。
自由診療により、1回の治療に2時間を確保しています
当院は自由診療を専門にしているため、1回に2時間かけてじっくりと診療することができます。
根管は入口で直径が0.4㎜ほど、深部で0.1㎜ほどであり、治療には繊細さが求められます。こうしたミクロな世界に挑む上で、1回30分ほどの保険内での診療では十分ではないことが想像できるのではないでしょうか。
自由診療体制によって十分に時間を確保できるため、場合によっては1度に複数の根管治療を行い、保険のときに比べて治療回数を減らせられることもあります。
高度な機器であるCTとマイクロスコープを備えています
歯の状態をくわしく調べられるCT
CTは、対象物を3次元で撮影できる機器です。平面画像しか撮影できないレントゲンでは歯が2本並んだ部分の奥側は不鮮明に写り、手前も奥の歯の厚みにより見えづらくなります。しかし、CTではこうした部分もくわしく把握できます。
また、歯の根と根の間の病気が見つけやすくなり、根の曲がり具合も事前にわかります。つまり、CTは総合的に歯の状態をくわしく調べられるため、病気の発見と治療のシミュレーションに大いに貢献してくれるのです。
患者さんの中には放射線による被ばくを心配される方もいらっしゃいますが、当院が採用する歯科用CTの放射線量は医科用の数十分の1と低く、安全性は高いと言えます。
対象物を20倍以上拡大して見られるマイクロスコープ
マイクロスコープとは、対象物を20倍以上まで拡大して見ることができる機器です。根管は入口で直径が0.4㎜ほど、深部で0.1㎜ほどと大変小さいため、治療中にマイクロスコープを利用することで、こうした細かな部分も確認でき、精密な治療を行うことができます。精度の高い根管治療を行うためには必須の機器と言えるでしょう。
当院が採用する「OPMI pico」は、奥歯の裏側など、一般的なマイクロスコープでは見ることが難しいポジションもミラーを使用せず確認できるため、より短時間で確実に治療することが可能です。
感染防止と精度向上が見込めるラバーダムを使用しています
当院では根管治療時に、感染防止と治療の精度向上が見込めるゴム製のシート・ラバーダムを使用しています。
治療対象の部分以外をラバーダムで覆うことで、治療する部分が見えやすくなるとともに、唾液や薬液の侵入を防ぐ効果が見込めます。
ラバーダムを引っ掛ける部分がないときは、仮歯をつくって人工的に引っ掛ける場所を設けてラバーダムを使用します。このように、精度の高い根管治療を行うためには事前の準備がとても大切です。
Root根管治療とは
歯の中の神経のお部屋(根管)の感染を除去することです
根管(こんかん)治療とは、むし歯が進行して歯の中の神経に達してしまった場合に、感染の拡大を防ぐために神経を取り除き、歯の内部を清掃・消毒して薬剤を詰める方法です。
また、過去の根管治療が不十分な(ex.無菌的処置を行っていない、未治療の根管がある、折れた器具が残されている、薬剤がしっかりと詰まっていないなど)場合に、根管内で繁殖した細菌が根の先に溢れ出て骨を溶かします。
それを再治療することも根管治療のひとつで、日本のずさんな根管治療ではこの治療が非常に多いのが現状です。
その病気を放置すると細菌は血流に乗り、全身にも影響を及ぼすのです。
細菌を可能な限り減らすことがテーマです
根管治療で最も大切なことは、歯の内部の細菌をいかに減らすかということです。
過去にラットの前歯を削って神経を出し、無菌状態にするという実験が行われたことがあります。その結果、無菌状態であれば放置していても病気にならないことがわかりました。
病気を治す土台を整える治療と言えるでしょう
つまり、人間の歯も無菌であれば病気にはならないのです。
完全に細菌をなくすことは難しいのですが、私たち歯科医師は細菌を限りなく減らすことを目的として根管治療を行っています。
細菌を減らした後は、患者さんが持っている自己治癒力に託します。根管治療は、病気を治す土台を整える治療と言えるでしょう。
Risk進行したむし歯を放置するリスク
歯を支える骨を溶かし、最悪の場合、歯が抜けてしまいます
むし歯が進んで神経にまで達してしまうと、神経が細菌に感染して死んでしまい、腐ります。
すると、細菌はさらに歯の奥深くまで進んでいき、後に歯を支える歯槽骨(しそうこつ)を溶かしていきます。最悪の場合は歯が抜けてしまいます。
歯が抜ける仕組みは歯周病と同じです。
イメージとしては、歯周病が歯の上部から徐々に溶かしていくのに対し、歯の根の病気(根尖病巣・こんせんびょうそう)は下から溶かしていきます。
根管治療を行い、天然の歯を守る重要性
人工歯は、天然の歯には勝てません
根管治療は、放置しておけば抜くことになりかねない歯を守る治療です。現在、歯を失った場合には、入れ歯やブリッジ、インプラントといった方法で人工歯を補うことができますが、天然の歯の素晴らしさには勝てません。
天然歯の歯根膜には歯を守る防御機能が備わっています
天然の歯の優位性を示す代表例が、歯根膜(しこんまく)です。歯根膜とは文字通り、歯の根っこの部分と歯槽骨の間にある薄い膜のことです。歯根膜には、歯が何かを噛んだときにその硬さや柔らかさを感じ取る機能があります。
例えば、あさりを食べたときに「あっ、砂利が入ってる」と瞬時に判断できると思いますが、この感覚を司っているのが歯根膜なのです。歯根膜のない人工歯の場合、硬いものを食べても気づかないため、知らず知らずのうちに人工歯にダメージを与え、結果的に破折してしまうことがあります。
つまり、天然の歯には、自らの歯を守るための防御反応が備わっているのです。また、ごくわずかではありますが、インプラントでは材料のチタンにアレルギー反応を示す人がいる報告が上がっています。
神経を抜かない方法をご提案することもあります
むし歯が神経に到達していても、神経が生きていて、かつ痛みがないときは、抜かずに様子を見ることもあります。
神経を抜いてしまうと歯に栄養や水分が届きづらくなり、寿命が短くなってしまうからです。このように、神経を残す道をご提案することもあります。
根管治療の成功率
初めての根管治療で90%、再治療で70~80%と言われています
根管治療の先進国であるアメリカの歯内療法学会では、初めて神経を取ったときの根管治療の成功率は90%としています。再治療の場合は70~80%ほどです。当院では十分な診療時間を確保し、CTやマイクロスコープといった機器を備えて、アメリカと同程度の治療を提供しているため、成功率についても自ずと上述の数字に近くなると考えています。
当院では歯ぐきにできていた膿を含む突起物が初回の根管治療で消えることが多くあります。また、院長が大学病院に勤務していた10数年前に根管治療を行った患者さんは、今も治療をした歯を問題なく使えています。
New Coronavirus measuresこんな症状が出たら要注意
こんな症状が出たら、むし歯が進行して根管治療が必要になっている状態かもしれません。
- 歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきににきびのような突起物があり、押すと白い膿が出る
- 歯ぐきから膿が出ている
- 歯がうずく感じがする
- 歯が痛む
- 根管治療を過去に行った歯に痛みがある
痛みが起きるメカニズム
むし歯が進行すると、骨の中で膿がたまってしまうことがあります。見た目には歯ぐきが腫れます。
すると、膿によって骨の中の圧力が高くなり、痛みがひどくなっていきます。その後、細菌が骨を溶かして穴が空くと、膿が外に出ていくので、痛みが引いていきます。
痛みは消えるのですが、膿の袋が歯ぐきにできてしまい、ひどくなると腫れがリンパ節まで拡大してしまいます。
「痛みが出ない」=異常がない、ではありません
また、むし歯が神経に達して神経が死んでしまうと、痛みが出ないので注意が必要です。定期的に歯科医院を受診する習慣をつけましょう。
痛みが出ずに神経が死んでしまう人も中にはいらっしゃいます。しみている程度の感覚があったものの放置していたら治まり、数年後に検査をしたら病気があったという例がたくさんあるので、注意が必要です。